五輪塔の梵字と四門

五輪塔は石塔の中心であり、理想の墓石の形です。でも残念なことに
間違った梵字を刻んだり、要を成してしいない五輪塔がたくさんあります。
ここでは正しい梵字の刻み方とその功徳について触れたいと思います。

五輪塔は真言宗や天台宗だけの仏塔ではなく、各宗派共通のものです。
塔婆供養は五輪塔を簡略化したものであり、五輪塔を建てたと同じ功徳が
あるとされて法事になくてはならないものです。

一般的に五輪塔は宇宙の生命観を表していると云われています。つまり
地、水、火、風、空の五元素であり、形によって示されています。五輪塔は
円形、四角形、その変化である半円形と三角形、変化の合体した宝珠形
から成り立っています。

五輪塔の四面は仏教の教理である四門を表しています。ですからその四門を
表す梵字を刻まなくてはなりません。その四門とは発心門、修行門、菩提門、
涅槃門の四つです。正面に発心門で右回りに修行、菩提、涅槃と刻みます。

よく「地」を表す四角い石の部分に、戒名や施主家の名前などが彫ってあるのを
見かけます。これは良くありません。五輪塔の部分は梵字のみにして、名前等を
入れるなら、花立や台座部分、又は墓標などにするのが最良の方法です。

四門の梵字は宗派によって変わるということはありません。参拝者は四門を
拝みながらその周りを三度回ることが良い礼拝の仕方とも云われています。

四門とは、故人の霊魂が仏心を起こして極楽往生をし解脱を得るまでの過程や、
人を導く為のものです。また霊界と私達を結ぶアンテナの役割をするものです。

四門の梵字は修行、菩提を経て涅槃に至る理想境地への導きとなるのです。
正しく四面に梵字が彫ることで生気の循環ができ、家門繁栄の礎となります。

人間は生まれた時は「仏心」に近いきれいな心をしています。それが成長するに
従って自我や欲が出てきます。迷いと罪障を重ねる原因となり、悪業を生じて
成仏、解脱の妨げとなり、苦しみの種となります。それで修行を積みながら昇華
して行き、菩提の境地を目指すのです。そして菩提に至り煩悩を離れた時に
涅槃の境地に到達すると云われているのです。

五輪塔は霊魂が成仏して解脱する為の要素を含み、供養の中心となるものです。



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