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若心経の心〔U〕

私は「納骨の時に般若心経を写経してお墓の中に一緒に入れてあげると故人の菩提には最適ですよ。」と
信心のある方には時々お勧めしています。

生前お世話になった人や愛しい人の為に真心を込めて写経することで、あなたの仏性がすり込まれ般若
心経の持つ不思議な呪力と一体となり故人の魂をサポートしてくれるからです。

般若心経の中には「是大神呪」という言葉がでてきます。無理やり訳すと「これは大きな神の言葉」ということ
でしょうか。いわゆる呪文なのです。ですから言葉に力があり、神をも越える霊力があるのです。

また、「是大神呪」のあとに「是大明呪、是無上呪」という言葉が続きます。「これは大きな智慧を明らかに
する真言であり、この上なく優れた真言」という意味です。つまり悟りを説いた呪文なのです。

お大師様は「般若心経秘鍵」の中で「真言は不思議なり。観誦すれば無明を除く。一字に千理を含み、即身
に法如を証す」と述べられ、般若心経の持つすばらしい功徳について触れておられます。

お大師様のように偉大な功績を残された人の言葉だけに重みがあります。私たち凡人にとっては般若心経
を理解するのは容易なことではありません。意味を理解するよりも、まず真心で心経を唱え実践することが
肝心です。

迷い苦しいとき、生きていくのに自信をなくしかけているとき、この上なく尊い仏様の真実の言葉である「般若
心経」を読誦して実践すれば必ず道が開けると思います。

今から約25年前、私は大学を卒業してある小さな会社に就職しました。従業員五十名ぐらいの小さな会社
でプレハブのトイレハウスメーカーでした。

メーカーといってもトイレハウスの販売施工が主な業務で、毎日あちこちの現場を回るのです。
私は三ヶ月余りの本社勤務の後、すぐに九州の販売代理店に出向することになりました。

当時の九州を管轄していた部長がたいへん熱心なお大師様の信者でした。私が僧籍をもっているのを
知った上で呼び寄せてくれたのです。

部長は単身赴任で、博多を拠点にして九州の代理店の管理と特販製品を官庁などにPRする営業をして
いました。懇切丁寧に仕事を教えてもらいながら、その合間に佐賀県の「吉祥寺」というお寺に何度か連れ
て行って頂きました。

最初はお参りだけでしたが、本堂の前で熱心に心経を唱えます。二回目の時には新しいふんどしを持参
しておられました。私にそれを渡すと自分はさっさと着替えられるので、あ然とするまもなく従わざるを得な
い状況でした。

滝場に入る前に心経とお不動さんの真言を唱え、祈願して滝に入いりました。九字の切り方や作法を教え
てもらい、初めての体験をさせて頂いたのです。

しかし、どうして部長はこんな修行をするのだろうと疑問に思っていました。
その寺からの帰り道にそんな私の心を察したのか、少しずつ話をされました。

子供さんが重いぜんそくであること、自分も慢性のリューマチであることなどをお話され、子供の病気平癒
と自分の罪障を祓い清める為に修行させて頂いているということでした。

そして、子供さんの症状が良くなっていくことを嬉しそうにお話されるのです。私自身も十日に一回のペース
で、約半年余り続けると不思議な現象を体験をするようになりました。身体が軽く感じるのはもちろんですが、
般若心経を唱えていると仏様らしき方が時々現れるようになったのです。

最初は気がつかなかったのですが、決まって滝行をした後お不動様にお礼の般若心経を唱える時です。
幻覚かもしれませんが心地よい神秘的な気持ちになったのを覚えています。

般若心経の中に「心無罫礙〔しんむけいげ〕」という言葉があります。心に引っかかり障りが無くなることです。
清められてとらわれの心がなくなった状態になった時、心のやすらぎを得ることができると実感した次第です。
   
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