Counter 愛宕山 常瀧寺 本文へジャンプ


般若心経の心〔3〕

般若心経には仏様の真実の言葉がいっぱい詰まっています。これらの短いものを真言といいます。
長いものを陀羅尼といいます。原語はマントラと云われている言葉です。いわゆる呪文です。

小説などには序文があるように般若心経にも序文があります。「観自在菩薩・・・・・度一切苦厄。」までの
25文字です。

観自在菩薩〔観音〕は般若波羅蜜多という行をして、すべての苦しみや迷いから目覚めて悟りの境地に
至り、人々を救済したという内容です。

この部分は般若心経の本題に入るまでの導入文であり、お釈迦様が次の章で舎利子という弟子に説法
する為に観音様の事例を取り上げているのです。

では観音様がされた波羅蜜多の行とはどんなものなのでしょうか。

六つあるので六波羅蜜とも云われています。
@布施・・・・・・・・・・・・・・人に施すこと。 A持戒・・戒律を守り自分を戒めること。
B忍辱・・・・・辱めや逆境に耐えること。 C精進・仕事や行に一生懸命励むこと。
D禅定・・・・・・・心を落ち着かせること。 E智慧・本当の智恵や真理を悟ること。

この六波羅蜜を深く行じて「照見五蘊皆空」となるのです。
つまり五蘊〔ごうん〕は皆、空であると悟るのです。では「五蘊」とは何なのでしょうか。

色〔しき〕・・・・・物質、肉体
受〔じゅ〕・・・・・・感受作用
想〔そう〕・・・・・・表象作用
行〔ぎょう〕・・・意志、記憶
識〔しき〕・・・・・・認識作用

つまり色と四つの心の働きをいいます。〔五輪塔の働きと同じです。〕

世の中のあらゆる存在はこの「五蘊」から成り立っており、私たち人間も例外ではないのです。

そしてその本質はみんな「空」であると云われているのです。私たち人間も縁が尽きて死んでしまえば、
「五蘊」もなくなり、「空」の世界へ戻るということです。

こうしたことを悟って観音様は一切の苦厄から人々を救済したというのが序文の内容で、大乗仏教の
基本的な実践を教示しています。

般若心経で観音様は「観自在菩薩」となっています。「諸法を観ずることが自由自在である」という意味です。

観音様の功徳については別のページでも紹介していますが、これほど私たちに親しみのある仏様はいません。

観音様は六波羅蜜という在家の修行をして悟られました。そんなところにやればできるという希望と親近感
を覚えます。

私の寺の境内に小さな谷川があります。砂防ダムができたのでチョロチョロとしか水が流れていません。
先日小学生の娘がそこでおたまじゃくしのような魚を見つけました。

「おとうさんこれ何?」と娘が聞くもので少し知ったかぶりして「それはヤモリの子供と思うよ」と教えると
「フーン」と言ったきりでじっと観察しています。

「お父さん、どこか違うような気がする。」と娘が言うもので私もよく見てみました。少し違うような感じでわか
りません。

私と娘が頭をひねっていると、ちょうど運良く近くのおじいさんがお参りに来られたのです。

ガラスの空き瓶に入っている魚を見て、ニヤニヤしながら「おじゅっさん、これ山椒魚の子供じゃ。
この間の雨で上から流されてきたんやなぁ」と教えて頂いたのです。

私はビックリしてしまいました。昔この辺にもオオサンショウウオがいたとは聞いてはいたのですが、
砂防ダムの工事で絶滅したと思っていたのです。

大発見に思わず娘の「自在の観察」を褒めてやりました。大人になるとどうしても偏見や歪んだ目で物事
を捕らえがちです。

観音様のように自在の目で、子供のように素直な目で観察することが大切ではないかと思った次第です。
   
Copyright (C)2001- 2006 Jyoryuzi (Temple).All Rights Reserved.