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般若心経の心〔6〕

般若〔智慧〕の章のその三になります。

「是故空中、無色、無受想行識、無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法無眼界、乃至無意識界、無無明、
亦無無明尽、乃至無老死、亦無老死尽、無苦集滅道、無智亦無得。」

「それ故に空の中には色は無く、受想行識もない。眼耳鼻舌身意も無い。そこには色声香味触という法もま
無い。眼という界も無く、意識の界も無い。無論、無明も無く無明が無くなってしまうこともない。老死に至るま
での存在も無く、また老死がなくなってしまうこともない。苦集滅道も無く、智ることも悟りを得ることもない。」

以上は直訳ですが、人間の持つ五感、六感を分類して否定しています。そして十二因縁の順も否定して
四諦〔苦集滅道〕も否定するのです。

そして最後に智と得を否定します。智は智恵又は知識といった意味で得はものごとへのこだわりと解釈します。

どうですか? まだ何のことかわかりにくいですね。簡単に要約すると、「空」の中に私達の身体「色」が
無かったら、当然それを感じるものもないので何も無いのです。そして苦しみも無いのです。

でも私達は確かに生きています。何も無しでは生きることができません。そこで「十二因縁」を考察して、
「人生は苦しみなので、それを集めて滅ぼす道は無いか」と思索されるのです。

私たち人間は誰でも生まれ、老いて、病気になり、死んでいきます。いわゆる「四苦」といわれる生老病死で、
根本の苦しみです。

その苦しみは私たちの煩悩が集まってできています。その煩悩を消滅すると苦しみが無くなるのです。
従ってそれを実践して幸せになる道は「八正道」であるという教えにたどり着くのです。〔苦集滅道〕

五年前私の友人の知り合いが亡くなりました。その友人を通して二回程度面識がありましたので、
その訃報を聞いたときには大変驚きました。

自殺だったそうです。パチンコで負けが込んで、ついついサラ金に手を出してしまったのです。
最初はわずかの金額でしたが雪だるま式にふくれあがり、最終的にはかなりの額になっていたそうです。

そのせいかどうかわかりませんが、会社のお金を横領していたらしく、警察の事情聴取に呼ばれている
その日に行方をくらましたのです。

それから三ヵ月後、自分の実家近くの山中で白骨化で見つかったそうです。もう少し早い時点で友人に
相談するとかできなかったのでしょうか。残念でなりません。

その原因を作ったのは本人の欲望でありますが、その結果はほんとに悲しいものになりました。
自分の業因が悪果を次々と生んだのです。

どこか早い段階でその愚行に気づき、因縁の元を断っていれば悪果を最小限に止めて、その人を助ける
ことができたと思うのです。

人間である以上、煩悩や欲望は誰でも持っています。そうしたものとどう付き合っていくか、そして逆境に
どう打ち勝つかということが大切になってきます。

正しい道理は頭の中でわかっていても、なかなか行動に移していくことは難しいことです。自分を見つめ直し
少しずつ始めてみましょう。
   
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