お大師様が理想とされる実践目標は「相互礼拝、相互供養」です。
相手の生命を尊重し、助け合い、合掌し合うことで思いやりの心を養い、
明るい家庭を築き、特に心身共に健康であることが一番大事です。

その為の実践の一つが阿字観という観法です。
阿字観に入る前に二つの呼吸法があります。

一つは数息観と云われる呼吸調整法です。
この呼吸法を毎日修することにより、全身の細胞が活性化
して生命力が旺盛になり、心身が清められて行きます。

まず、口を軽く開いて身体の中の空気を全部吐き出します。
息を吐き出す時、身体の中や心の中のすべての汚れが出て行く
というイメージを持ちます。吐いた空気が部屋から出て行き
自然の中へ流れていくと観想します。

次に吐ききったら鼻からゆっくりと空気を吸います。
自然の中へ出て行った空気が緑の木々で浄化され、自分の
身体に入ってくるというイメージを持って集中して下さい。

この呼吸を数十回、大自然と一体感になるまで繰り返します。
自分の身体が清浄になったと観想します。吐く時にイーチ、
ニー、サーン、と十まで数えたら、またイーチと戻ります。

肩の力を抜いて背筋を伸ばし、目は半眼で自分の鼻頭を見る
ような感じであごをひきます。そして数と数との間には、
軽く力を抜いて、軽く息を吸い、吐き出す時に心の中で
「イーチ」と数えます。鼻から息を吸い鼻から息を出し、
一回の観想は十分ぐらいを一区切りとし、精神を集中
して雑念がなくなるように努力して下さい。熟練者は
三十分から四十分を目標として吐く息に心を集中します。

また入息してからその息をじっと保つ時間を長くしていき
ます。それによって吐き出す息の時間も長くしていきます。

保息することによって生気が身体の隅々に行き渡り、
全身に生気が漲ってきます。臍の下にある丹田に力を
入れると健康と勇気を得ると昔から云われていますが、
保息する時に力まずに自然体で行うことが大事です。


Copyright (C)2001- 2006 Jyoryuzi (Temple).All Rights Reserved